スタイル発見ノート

内面と響き合う自分らしいファッションスタイルの見つけ方

はじめに：内面と向き合うファッションの機会

リモートワークが中心の日常では、これまでの「外向き」の服装から、より自分自身が心地よく感じられる服装へと意識が変化している方もいらっしゃるのではないでしょうか。他者からの評価を気にすることが少なくなる一方で、何を着ていいか迷ったり、仕事とプライベートの切り替えが難しく感じたりすることもあるかもしれません。

このような状況は、実は自分自身の内面と深く向き合い、「自分らしいファッションスタイル」を見つけるための良い機会になり得ます。外からの流行や他者の視点ではなく、自分自身の感覚や心地よさを指針に服を選ぶことで、日々の装いがもっと自分らしく、そして気分を上げてくれるものになるでしょう。

ここでは、内面と響き合う自分らしいファッションスタイルを見つけるための考え方やヒントをお届けします。

なぜ内面がファッションスタイルに影響するのか

ファッションは単に体を覆うだけでなく、自分自身を表現するツールです。私たちが何を選び、どのように身につけるかは、少なからずその時の気分や、自分がどうありたいかという内面的な状態を映し出しています。

• 心地よさの追求: リモートワークにおいて、多くの方が「着心地」を重視するようになったのは、内面が求める快適さに正直になった結果と言えるでしょう。
• 気分への影響: 特定の色や素材、シルエットの服を着ると、気分が引き締まったり、リラックスできたりと、服装が内面に作用するのを感じた経験は誰にでもあるはずです。
• 自己表現: 「自分らしさ」をファッションで表現したいという願いは、内面的な個性や価値観を外見として示したいという自然な欲求です。

内面とファッションは密接に関係しており、内面を理解することが、表面的な流行に左右されない、真に自分らしいスタイルを見つける鍵となります。

内面を探求するステップ

自分らしいスタイルを見つける第一歩は、自分自身の内面を少し深く掘り下げてみることです。難しく考える必要はありません。日々の感覚に意識を向けることから始めましょう。

1. 「心地よい」と感じる要素を言語化する:

   • どんな色を見たり身につけたりすると落ち着きますか？ 元気になりますか？
   • どんな素材（例: 柔らかなコットン、なめらかなシルク、温かみのあるニット）に触れると安心しますか？
   • どんなシルエット（例: ゆったりとした、フィット感のある、直線的な、曲線的な）の服を着ると体が楽に感じますか？

2. 「どんな自分でいたいか」を考える:

   • 仕事をする上で、どんな気持ちでいたいですか？（例: 集中したい、クリエイティブでありたい、プロフェッショナルに見せたい）
   • リラックスタイムでは、どんな自分でいたいですか？
   • たまにある外出時には、どんな自分を表現したいですか？
   • これらの「ありたい姿」は、連想する色や素材、形と結びつくことがあります。

3. 過去の「好き」を振り返る:

   • 学生時代や社会人になりたての頃など、これまでの人生で特に好きだった服装やアイテムを思い出してみましょう。なぜそれが好きだったのか、理由を探ると、変わらない自分の好みや価値観が見えてくることがあります。

これらの探求は、あくまで自分自身のためのものです。誰かに見せるものではないので、自由に、正直に感じたことを書き留めてみるのがおすすめです。

内面をファッションに反映させるヒント

内面の探求で見えてきた要素を、具体的な服選びやスタイリングに落とし込んでみましょう。

• 色で内面を表現する: 好きな色や、なりたい自分のイメージに合う色を積極的に取り入れてみましょう。例えば、穏やかな気持ちで仕事したい日はアースカラー、創造性を刺激したい日はアクセントになる色など、色の持つ心理効果も借りながら選ぶと、服装が内面に作用するのを感じやすくなります。パーソナルカラー診断も参考になりますが、それ以上に「自分自身がどう感じるか」を大切にしてください。

• 素材感で心地よさを追求する: 肌触りの良い天然素材や、体に優しく寄り添うストレッチ素材など、着ていて心地よいと感じる素材を優先しましょう。リモートワークでは特に、直接肌に触れるトップスやボトムスの素材感が、一日の気分を左右します。見た目の良さだけでなく、触覚的な満足感も重要な内面との響き合いです。

• シルエットで理想の自分に近づく: ゆったりとしたシルエットでリラックス感を出すか、程よくフィットするシルエットで気持ちを引き締めるかなど、どんな自分でいたいかをシルエットに反映させましょう。体型カバーも大切ですが、それ以上に「この形を着ると気分が良い」「なりたい自分に近い」と感じるシルエットを選ぶことが、内面と響き合うスタイルにつながります。

• 「気分が上がるアイテム」を意識的に取り入れる: タンスを開けた時に「着たいな」と心が弾む服や、身につけるだけでワクッと嬉しくなるアクセサリーなどは、まさに内面と響き合うアイテムです。理屈ではなく、直感的に心が惹かれるものを大切にしましょう。オンライン会議で顔周りを明るく見せるトップスや、お気に入りのピアス一つでも、気分は大きく変わります。

• 手持ち服から再発見する: 新しい服を買う前に、今持っている服を改めて見直してみましょう。内面を探求した視点から手持ち服を見ると、これまで気づかなかった魅力や、今の自分に心地よくフィットする組み合わせが見つかることがあります。クローゼットは、自分の内面を映し出す鏡のようなものです。

実践と変化への対応

自分らしいスタイル探しは、一度きりの答えがあるものではありません。内面も常に変化していくように、ファッションスタイルもアップデートされていくものです。

完璧を目指す必要はありません。まずは小さなことから試してみましょう。例えば、普段着ない色を取り入れてみる、素材にこだわって選んでみる、アクセサリーを一つ加えてみるなど。

試していく中で、「なんだか違うな」「やっぱりこれがしっくりくる」といった感覚を大切にしてください。その感覚こそが、内面とファッションが響き合っているサインです。

リモートワークという環境は、自分自身の心地よさや内面に正直になれる貴重な機会を与えてくれています。この機会に、外からの視点ではなく、自分自身の内側と向き合い、本当に心地よく、自分らしくいられるファッションスタイルを見つけていくプロセスを楽しんでいただければ幸いです。

日々の装いが、自分自身を労り、気分を上げてくれる大切なツールとなりますように。