スタイル発見ノート

着るほどに好きになる 自分らしいスタイルを見つけるヒント

Tags: 自分らしいスタイル, スタイル発見, 服選びのヒント, 心地よいファッション, ファッション心理

自分らしいスタイルは「好き」から育つ

リモートワークが中心の生活では、オンとオフの境目が曖昧になりやすく、服装を選ぶ際にも「楽さ」を優先しがちになることもあるでしょう。しかし、時折訪れる対面での機会やオンライン会議、そして何よりも自分自身の気分を整えるために、ファッションの役割は小さくありません。流行を追いかけるのではなく、心地よさを大切にしながらも「自分らしい」と感じられるスタイルを見つけたい。そう考える方は多いのではないでしょうか。

自分らしいスタイルとは、流行のアイテムを完璧に着こなすことでも、高価な服を身につけることでもありません。それは、自分の内面と響き合い、着るたびに心が満たされ、自信を与えてくれる装いです。そして、そのようなスタイルは、一度に見つかるものではなく、日々の試行錯誤の中で「着るほどに好きになる」というプロセスを経て育まれていくものです。

この記事では、自分の感覚と向き合いながら、着るほどに愛着が湧く自分らしいスタイルを見つけるためのヒントをご紹介します。

なぜ「好き」を大切にするスタイルが必要なのか

リモートワーク環境では、物理的に人に見られる機会が減るため、服装への意識が薄れることがあるかもしれません。しかし、服装は外からの評価だけでなく、自分自身の心理状態にも大きな影響を与えます。だらしのない服装は気持ちを緩ませ、逆に、自分にとって心地よく、少しだけ「きちんとした」服装は、仕事への集中力を高めたり、気分を前向きにしたりする効果が期待できます。

特に、自分自身が「好き」と感じる服を身につけることは、自己肯定感を高めることに繋がります。これは、流行に関係なく、自分の感覚や価値観に合致した服を選ぶという行為そのものが、「自分自身を大切にしている」という感覚をもたらすためです。着るほどにその服への愛着が増し、スタイルが確立されていく過程は、自分自身をより深く理解し、受け入れるプロセスとも言えます。

自分にとっての「好き」を基準にしたスタイルは、流行に左右されない普遍的な価値を持ちやすく、結果として長く愛用できる服が増え、持続可能なワードローブへと繋がります。

「好き」を見つけるための内なる問いかけ

自分らしいスタイルを見つける第一歩は、自分の内面にある「好き」という感覚に気づくことです。普段、私たちは無意識のうちに服を選んでいますが、そこに意図的に意識を向けてみましょう。

これらの問いかけを通して、自分の感覚や好みの傾向を探っていきます。雑誌やSNSで見た素敵なスタイルを参考にするのも良いですが、まずは外側の情報に流されず、自分自身の内側の声に耳を傾けることが大切です。直感的に「良いな」と感じるものに意識を向けてみましょう。

具体的な「好き」をスタイルに落とし込む方法

内面で感じ取った「好き」の感覚を、実際のファッションスタイルに繋げるためには、具体的な行動が必要です。

感覚的な要素を特定する

漠然とした「好き」を、色、素材、シルエット、ディテールといった具体的な要素に分解してみましょう。例えば、「落ち着く」と感じるなら、アースカラーやニュートラルカラーかもしれません。「気分が上がる」なら、鮮やかな色や光沢のある素材かもしれません。「楽だけどきちんと見える」なら、体のラインを拾わない適度なゆとりがあるシルエットかもしれません。このように要素を特定することで、服選びの基準が明確になります。

試着や購入時に「好き」の基準で選ぶ

お店で服を見る時や、オンラインストアでアイテムを探す時に、特定した「好き」の要素を意識してみます。「この色は自分をどう見せてくれるか」「この素材は肌触りが心地よいか」「このシルエットは自分にとって快適か」など、自分にとっての「好き」の基準を満たしているかを確認しながら選びましょう。流行しているかどうかよりも、自分が本当に「着たい」「心地よい」と感じるかを大切に判断します。

手持ちの「好き」な服を分析する

クローゼットの中に、つい手に取ってしまう、着ると気分が良い、といった「好き」な服がきっとあるはずです。それらの服に共通する特徴を分析してみましょう。色、素材、形、ブランド、購入した時の状況など、共通点が見つかるかもしれません。それは、あなたが無意識のうちに惹かれている「自分らしさ」のヒントです。

挑戦と試行錯誤を楽しむ

自分らしいスタイルを見つける過程では、時には「これは違うな」と感じる選択をすることもあるでしょう。しかし、それは失敗ではなく、自分にとっての「好き」をより明確にするための貴重なステップです。新しい色やシルエットに挑戦してみたり、普段選ばないようなアイテムを試着してみたりすることで、意外な発見があるかもしれません。試行錯誤のプロセス自体を楽しみ、肩の力を抜いて取り組む姿勢が大切です。

着るほどに「好き」を深めるスタイルの育て方

お気に入りの服を見つけたら、それを大切に「育てる」ことで、スタイルはさらに深まります。

コーディネートを記録する

スマートフォンなどで、普段のコーディネートを写真に撮ってみましょう。特に「これは上手くいったな」「着ていて気分が良かったな」と感じた日は記録しておくと良いでしょう。後で見返した時に、自分の「好き」な組み合わせや、似合うアイテム、着こなし方の傾向が見えてきます。

お手入れを丁寧に行う

服は消耗品ですが、適切なお手入れをすることで、その寿命を延ばし、風合いを保つことができます。洗濯表示を確認し、正しい方法で洗ったり、ブラッシングしたり、アイロンをかけたり。お気に入りの服を丁寧に扱う時間は、服への愛着を深めると同時に、自分自身を慈しむ時間にもなります。

着るシーンを限定しない発想

この服は仕事用、これは部屋着、これはお出かけ用、と決めつけすぎず、柔軟な発想で着回しを考えてみましょう。リモートワーク中に着ていた心地よいトップスにジャケットを羽織ればオンライン会議にも対応できますし、お気に入りのリラックスパンツにきれいめなブラウスを合わせればワンマイルウェアになります。一着の服を様々なシーンで着ることで、その服への愛着はさらに増していくでしょう。

ワードローブ全体でのバランスを考える

個々のアイテムに対する「好き」を大切にしながらも、クローゼット全体で見た時のバランスも意識してみましょう。手持ちの服と新しく迎え入れる服が調和し、様々な組み合わせが可能なワードローブは、日々の服選びをより楽しく、迷いのないものにしてくれます。ベーシックなアイテムと、自分の「好き」が詰まった個性的なアイテムをバランス良く取り入れることがポイントです。

終わりに

自分らしいファッションスタイルを見つける旅は、自分自身を知り、受け入れ、表現する旅でもあります。「着るほどに好きになる」服を少しずつ増やし、それらを丁寧に慈しむ日々は、単なる服装選びを超え、日々の暮らしを豊かにする大切な営みとなるでしょう。完璧を目指すのではなく、自分の感覚を信じ、心地よさを追求しながら、あなただけのスタイルを楽しみながら育んでいってください。