手持ち服で広がる着こなし 自分らしいスタイル再発見のヒント
クローゼットに眠る服から新しい自分スタイルを見つける
リモートワークが中心の生活では、以前に比べて外出する機会が減り、クローゼットに眠っている服が増えたと感じている方もいらっしゃるかもしれません。毎日の服装がパターン化しがちになったり、オンオフの切り替えが難しくなったりといったお悩みもあると伺います。一方で、流行を追いかけることよりも、自分に似合うものや心地よさを大切にしたいというニーズも高まっています。
新しい服を購入することも楽しみの一つですが、今お手持ちの服を見つめ直し、組み合わせ方や着こなし方を工夫することで、思わぬ新しい発見があり、より深く「自分らしいスタイル」を確立できる可能性も秘めています。この変化の時期に、手持ちの服を最大限に活かし、日々の装いを通して気分を上げ、自分らしさを再発見するためのヒントをご紹介します。
手持ち服を「スタイル要素」として捉え直す
服は単なるアイテムではなく、「色」「素材」「シルエット」「デザイン」「機能性」といった様々な要素の組み合わせです。手持ちの服一つ一つを、これらの要素に分解して見てみましょう。例えば、
- 色: 何色が多いか、今まであまり手を出さなかった色は何か。顔映りの良い色はどれか。
- 素材: 肌触りの良い素材は何か、きちんと感の出る素材は何か、お手入れしやすい素材は何か。
- シルエット: 体型カバーできる形はどれか、すっきり見せる形はどれか、リラックスできる形はどれか。
- デザイン: シンプルなものが多いか、デザイン性のあるものが多いか。好きなディテールは何か。
- 機能性: ストレッチ性はあるか、シワになりにくいか、温度調整できるか。
このように要素ごとに見ていくと、自分が無意識に選んでいた傾向や、まだ試していない組み合わせの可能性が見えてきます。クローゼット全体を俯瞰し、色のグラデーションで並べたり、アイテムの種類ごとに分けたりするのも良い方法です。
手持ち服で広がる具体的な着回しアイデア
手持ちの服を新しい視点で見ることができたら、次は具体的な着回しに挑戦してみましょう。リモートワークの日常や、オンライン・対面での会議、ちょっとした外出など、様々なシーンを想定しながら考えてみます。
- 定番アイテムに新しい組み合わせを: いつも同じトップスに合わせていたボトムスを替えてみる。例えば、カジュアルなデニムに合わせていたニットを、きれいめのテーパードパンツやロングスカートに合わせてみたり、逆も試してみたりします。
- 重ね着で印象を変える: シンプルなワンピースに、シャツや薄手のカーディガン、ジャケットなどを羽織るだけで全く異なる印象になります。ブラウスにベストを重ねたり、カットソーのインナーに色物のタンクトップを合わせたりするのも効果的です。
- 小物使いでアクセントを: いつもの装いに、ネックレス、ピアス、スカーフ、ベルト、バッグなどを加えることで、ぐっと雰囲気が変わります。オンライン会議では特に顔周りの小物が映えるため、イヤリングやネックレスで華やかさをプラスするのもおすすめです。
- テイストミックスに挑戦: きれいめなブラウスにあえてカジュアルなチノパンを合わせたり、リラックス感のあるワイドパンツにきちんと感のあるジャケットを羽織ったりと、異なるテイストのアイテムを組み合わせてみることで、こなれた自分らしいスタイルが生まれることがあります。
- 部屋着からワンマイルウェアへ: 着心地の良いスウェットやTシャツなども、きれいめのパンツやスカート、またはデザイン性のある羽織りを合わせることで、近所への買い物などちょっとした外出にも対応できるスタイルになります。素材感やシルエットに少しきちんと感のあるものを選ぶと、よりスムーズに移行できます。
手持ちの服を実際に組み合わせてみて、写真に撮っておくと、コーディネートの記録になり、後で見返す際に便利です。
自分らしいスタイルを再発見するプロセス
手持ちの服と向き合い、様々な着回しを試す過程は、まさに自分らしいスタイルを再発見するプロセスでもあります。
- 「好き」「心地よい」感覚を大切に: 実際に着てみて、心がときめく組み合わせや、一日快適に過ごせる着こなしに気づくことを大切にしてください。なぜそれが好きなのか、心地よいのかを考えてみると、自分がファッションに求めるものがより明確になります。
- 似合う要素を言語化する: この色を着ると顔色が明るく見える、このシルエットはすっきり見える、この素材は気分が上がる、といった具体的な発見を言葉にしてみましょう。それがあなたの「似合う」を構成する要素です。
- 自分のライフスタイルに合うか問いかける: リモートワーク、オンライン会議、たまの外出、趣味の時間など、自分の日常の様々なシーンに合う着こなしはどれか、手持ち服で対応できるかを確認します。自分の生活に寄り添う服こそが、本当の意味で自分らしいスタイルの一部となります。
手持ちの服を最大限に活かすことは、無駄をなくすことにも繋がります。同時に、一つ一つの服への愛着が増し、より丁寧にファッションと向き合うきっかけとなるでしょう。
まとめ
クローゼットに眠る手持ちの服は、宝の山かもしれません。新しい服を買い足さなくても、今ある服を新しい視点で見つめ直し、組み合わせを工夫することで、自分らしいファッションスタイルを広げ、再発見することができます。
「色」「素材」「シルエット」といった服の要素を分解して見たり、定番アイテムに新しい組み合わせを試したり、小物使いで変化をつけたり、テイストミックスに挑戦したりと、具体的な着回しアイデアを試してみてください。その過程で、「好き」「心地よい」と感じる自分の感覚を大切にし、似合う要素を言語化していくことで、あなただけの「自分らしいスタイル」がより明確になるはずです。
手持ちの服から始まるスタイル発見を通して、日々の装いがさらに楽しく、自分を表現する大切なツールとなることを願っています。