スタイル発見ノート

少ない服で着回す リモートワークワードローブのヒント

Tags: リモートワーク, ワードローブ, 着回し, ミニマルファッション, 服の選び方

リモートワーク時代の服装の悩みとワードローブの可能性

自宅での仕事が中心となるリモートワークは、私たちの服装に対する考え方を大きく変えました。以前のように毎朝通勤服を選ぶ必要がなくなり、服装が自由になった一方で、「何を着ればいいのか迷う」「仕事服と普段着の区別があいまいになった」「服はたくさんあるはずなのに、着る服がないと感じる」といった悩みを抱える方も少なくないようです。特に、たまに発生する対面での打ち合わせやオンライン会議のために「きちんとして見える服」が必要になったり、反対に仕事モードからリラックスモードへ気分を切り替えるための服装が欲しくなったりと、リモートワークならではの複雑なニーズも生まれています。

このような状況で、「自分らしいスタイルを見つけたいけれど、どうすれば良いのか分からない」「流行を追いかけるよりも、自分に似合う、着心地の良い服を選びたい」と感じている方にとって、少ない服で快適かつおしゃれに着回せるワードローブを作ることは、一つの有効な解決策となり得ます。服の数を絞り込むことは、単に物を減らすことではなく、一つひとつのアイテムと丁寧に向き合い、自分にとって本当に必要で、心から好きと思える服だけを選ぶプロセスです。このプロセスを通じて、自分らしいファッションスタイルがより明確に見えてくる可能性があります。

この記事では、リモートワーク中心のライフスタイルに合わせて、少ない服でも心地よく、そして自信を持って過ごせる自分らしいワードローブを築くためのヒントや考え方をご紹介します。

なぜ「少ない服での着回し」がリモートワークに適しているのか

リモートワークでは外出の機会が減るため、これまでのような多様なシーンに対応する多くの服は必ずしも必要ではなくなる傾向があります。手持ちの服が多い場合でも、「なんとなく買った服」「流行遅れで着なくなった服」「体型に合わなくなった服」などがワードローブを占めているかもしれません。これらの服は、選ぶ手間を増やし、「着る服がない」という感覚につながることがあります。

少ない服で着回すスタイルは、このような状況に対していくつかの利点をもたらします。

リモートワークという変化を機に、量より質を重視し、自分にとって心地よく、自信を与えてくれるアイテムだけを集めた少数精鋭のワードローブを目指すことは、自分らしいスタイルを見つける上で非常に建設的なアプローチと言えるでしょう。

自分らしい「スタメン服」を見つけるための考え方

少ない服で着回すワードローブを作る上で最も大切なのは、「自分にとってのスタメン服」を見つけることです。スタメン服とは、着ていて心地よく、自分らしくいられ、様々なシーンで活躍してくれる、いわばワードローブの中心となるアイテムたちのことです。これを見つけるためには、まず自分自身と向き合う時間を持つことが有効です。

  1. 自分のライフスタイルを振り返る: リモートワークの頻度、オフィスや外出の頻度、休日の過ごし方、趣味などを具体的に書き出してみましょう。どのようなシーンでどのような服装が必要かを把握します。
  2. 「好き」と「似合う」の基準を明確にする: どのような色、素材、シルエットの服を着ている時に気分が上がるか、周りから褒められることが多いかなどを思い出してみましょう。過去の失敗談からも、「これは似合わない」という基準が見えてくることがあります。流行に流されるのではなく、自分の内面の声に耳を傾けることが大切です。
  3. 手持ちの服を「いる・いらない・保留」に分ける: 現在持っている服をすべて出し、一つずつ「今も着ていて、これからも着たい服(いる)」「全く着ていない、今後も着る予定がない服(いらない)」「好きだけれど着こなし方が分からないなど、迷う服(保留)」に分類します。この作業を通じて、自分の「スタメン服」候補や、実際に着ている服の傾向が見えてきます。
  4. 「スタメン服」候補の共通点を探る: 「いる」に分類された服や、特に気に入っている服には、どのような共通点があるでしょうか。色、素材、デザイン、ブランド、着心地など、自分にとって「心地よさ」や「自分らしさ」を感じさせる要素を分析します。これが、自分らしいスタイルを見つけるための重要な手がかりとなります。

自分らしいスタメン服を見つけるプロセスは、単に服を選ぶだけでなく、自分自身の好みや価値観を再確認する機会でもあります。このプロセスを丁寧に行うことで、衝動買いを防ぎ、一つひとつのアイテム選びに確信を持てるようになります。

着回し力の高いアイテム選びのポイント

自分らしい「スタメン服」の基準が見えてきたら、次は具体的なアイテム選びのポイントを考えましょう。少ない服で着回すためには、単体で優れているだけでなく、他のアイテムと組み合わせやすい汎用性の高さが重要になります。

例えば、リモートワークのスタメンになりうるアイテムとしては、以下のようなものが考えられます。

これらのアイテムを数点揃えるだけでも、様々な組み合わせが可能になり、少ない服でも飽きずに着回しを楽しむことができます。

少ない服でのコーディネートと気分を上げる工夫

限られたアイテムでも着回しを楽しむためには、コーディネートのアイデアを持つことが大切です。ボトムスを固定してトップスや羽織りを変える、ワンピースにパンツを重ねる、スカーフやアクセサリーなどの小物を活用するなど、ちょっとした工夫で印象を大きく変えることができます。

特にリモートワーク中のオンライン会議では、顔周りが映ることが多いため、上半身の印象が重要になります。明るい色のトップスを選んだり、控えめながらも華やかさを添えるネックレスやイヤリングをつけたりすることで、画面越しでも明るく生き生きとした印象を与えることができます。また、メイクやヘアスタイルを整えることも、服装と合わせて気分をオンにする有効な手段です。

服装によるオンオフの切り替えも、少ない服で実現可能です。例えば、日中はきれいめなカットソーとパンツスタイルで仕事をし、夕方からは同じパンツにリラックス感のあるニットやスウェットを合わせる、あるいは一枚で快適に過ごせるワンピースに着替えるなど、アイテムを変えるだけで気分転換ができます。

大切なのは、「着るだけで気分が上がる」「これを選んでよかった」と感じられるアイテムをワードローブに揃えることです。それは高価なものである必要はありません。肌触りが良いもの、好きな色やデザインのもの、思い出のあるものなど、自分がポジティブな気持ちになれる服を意識的に選ぶことで、日々の装いがより楽しいものになります。

ワードローブを整え、自分らしいスタイルを育む

少ない服で着回せるワードローブを作ることは、一度行えば終わりではなく、定期的な見直しが必要です。自分のライフスタイルや好みの変化に合わせて、ワードローブも柔軟に変化させていくことが、自分らしいスタイルを長く楽しむ秘訣です。

不要になった服を手放す際は、単に捨てるだけでなく、寄付やリサイクル、フリマアプリでの販売などを検討することで、環境への配慮にもつながります。

自分らしいファッションスタイルを見つける旅は、服を選ぶこと以上に、自分自身を知る旅でもあります。少ない服で着回すというアプローチは、その旅をよりシンプルに、より深く楽しめるように導いてくれるヒントの一つと言えるでしょう。流行に振り回されることなく、自分にとって本当に心地よく、自信を与えてくれる服装を選び、日々の生活を豊かに彩ることを願っています。