手持ち服で見つける今の自分に必要なアイテム選びのヒント
リモートワーク時代のファッションと手持ち服
ライフスタイルが変化し、特にリモートワークが日常の一部となったことで、私たちのクローゼットに対する考え方も変わってきました。以前は通勤着やオフィスカジュアルが中心だった方も、自宅での快適さやオンラインでの見え方、そしてたまの外出に適した服装へのニーズが高まっていることと思います。
クローゼットにはたくさんの服があるのに、「今日着たい服がない」「何を着てもピンとこない」と感じることはありませんか。それは、手持ちの服が今のあなたのライフスタイルや気分、そして何より「自分らしいスタイル」にフィットしなくなってきているサインかもしれません。
新しい服を次々と買い足す前に、一度お手持ちの服とじっくり向き合ってみることは、無駄をなくし、本当に必要なものを見つけ、自分らしいスタイルを確立するための大切な一歩となります。この機会に、手持ち服を見直すことから、今の自分に本当に必要なアイテムを見つけるヒントを探してみましょう。
なぜ手持ち服の見直しが必要なのか
リモートワーク中心の生活では、物理的に必要とされる服の種類や枚数が変わります。同時に、自分自身の内面やファッションに対する価値観も変化している可能性があります。
以前は当たり前だった通勤服やパーティー着が今はあまり必要ないかもしれません。その一方で、自宅で快適に過ごせるルームウェアと普段着の境界があいまいになったり、オンライン会議で映える上半身のアイテムが必要になったり、あるいは気分転換のための外出着やワンマイルウェアの重要性が増したりしていることでしょう。
手持ち服を見直すことは、単に服を整理すること以上の意味を持ちます。それは、今の自分の生活、気分、そして「自分らしい」と感じるスタイルと向き合う作業です。着ていない服、着るけれどしっくりこない服、そしてつい手に取ってしまう服。それぞれの服が持つ情報から、今のあなたが何を求めているのか、どんなスタイルに心地よさを感じるのかが見えてくるのです。
手持ち服から「今の自分」を知る具体的な方法
手持ちの服を前にしたら、まずはすべてのアイテムを一度クローゼットから出してみましょう。そして、それぞれの服について「今の自分」というフィルターを通して向き合ってみます。
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「よく着る服」と「あまり着ない服」に分ける
- 明確に分けてみてください。分けられない場合は、「この1年で一度も着ていない服」を「あまり着ない服」のグループに入れてみましょう。
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それぞれの理由を分析する
- 「よく着る服」:なぜよく着るのでしょうか? 着心地が良い、自分に似合うと感じる色や形である、手持ちの他の服と合わせやすい、着ると気分が上がる、お手入れが楽、今のライフスタイルに合っている(例:リモートワーク中に快適、オンライン会議で綺麗に見える)など、具体的な理由を考えてみてください。ここに、今のあなたのファッションにおける「心地よさ」や「大切にしていること」のヒントが隠されています。
- 「あまり着ない服」:なぜ着ないのでしょうか? サイズが合わない、色が似合わない気がする、デザインが今の気分ではない、お手入れが面倒、合わせ方が分からない、着心地が良くない、今のライフスタイルに合わない(例:完全に通勤用で自宅では着ない、パーティー用など)など、理由を分析します。ここから、過去の自分と今の自分の変化や、避けたい要素が見えてきます。
この分類と分析のプロセスを通じて、「今の自分」が求める服の要素(色、素材、シルエット、機能、雰囲気など)が徐々に明確になってくるはずです。
見直しで見えてくる「本当に必要なもの」を見つけるプロセス
手持ち服の分析を通して、「よく着る服」の傾向や「あまり着ない服」の理由が見えてきたら、次に「今の自分に足りないもの」や「本当に必要なもの」を具体的に考えてみましょう。
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「よく着る服」の傾向から、今の自分のスタイルを探る
- よく着る服の色味は?(ニュートラルカラーが多い、明るい色が多いなど)
- シルエットは?(ゆったりめが多い、フィット感のあるものが多いなど)
- 素材感は?(柔らかなニットが多い、ハリのあるシャツが多いなど)
- これらが、今のあなたが心地よく、かつ自分らしいと感じているスタイルのベースとなる要素です。
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「あまり着ない服」の理由から、避けたい要素を知る
- お手入れが面倒で着ないなら、自宅で洗える素材が必要かもしれません。
- 色が似合わないと感じるなら、自分に似合う色を改めて探してみるのも良いでしょう。
- サイズが合わないなら、今の自分にフィットするサイズ感を見つけることが重要です。
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今のライフスタイルに必要な「機能」を考える
- リモートワーク中に快適かつきちんと見えるトップスが足りないかもしれません。
- オンライン会議で顔周りを明るく見せるアイテムが必要かもしれません。
- 急な来客やちょっとした外出にも対応できるワンマイルウェアが不足しているかもしれません。
- 手持ちの「よく着る服」と組み合わせて、これらのニーズを満たせるアイテムは何かを具体的にリストアップしてみます。
このプロセスでリストアップされるのが、あなたが「本当に必要としているアイテム」の候補です。それは流行のアイテムである必要はありません。手持ちの服と自然に馴染み、あなたのライフスタイルと「今の自分らしいスタイル」を支えてくれる服であるべきです。
本当に必要なアイテムを賢く買い足すヒント
本当に必要なアイテムの候補がリストアップできたら、いよいよ買い足しです。ここでも衝動買いではなく、計画的に賢く選ぶための視点を持つことが重要です。
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手持ち服との「連携」を考える
- 買い足そうとしているアイテムは、手持ちの「よく着る服」と複数パターンのコーディネートが組めるでしょうか。新しい服が手持ちの服を活かす存在になるかを確認します。
- クローゼット全体で考えた時に、そのアイテムがどんな役割を果たすかをイメージすることが大切です。
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「長く使えるか」を基準にする
- 一時的な流行のデザインではなく、シンプルで上質なもの、長く着られる素材や縫製のものを選ぶようにします。
- 自宅でのお手入れが可能かどうかも、リモートワーク中心の生活では重要なチェックポイントです。
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「着ていて心地よいか」を重視する
- 試着の際は、見た目だけでなく、肌触りや体の動かしやすさなど、着心地をしっかり確認してください。
- オンラインで購入する場合は、素材の表示やレビューをよく確認し、可能であれば返品・交換のしやすいショップを選ぶと安心です。
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「着ると気分が上がるか」を忘れずに
- 機能性や着回しも大切ですが、着るたびに気分が上がるかどうかは、自分らしいスタイルを育む上で非常に重要な要素です。心ときめく色やデザイン、素材感のアイテムを選ぶことも、ぜひ意識してみてください。
手持ち服と新しいアイテムで「自分らしいスタイル」を育てる
手持ち服の見直しと、本当に必要なアイテムの賢い買い足しを通じて、あなたのクローゼットはより今のあなたにフィットしたものになっているはずです。自分らしいスタイルは、特定のアイテムを揃えることだけで完成するものではありません。それは、手持ちの服と新しく加わった服を自由に組み合わせ、日々の着こなしの中で試行錯誤しながら育んでいくものです。
クローゼット全体を一つの「スタイルブック」のように考え、それぞれのアイテムがどのように連携し、あなたの生活を彩るかを想像してみてください。たまには普段着ない組み合わせに挑戦してみたり、小物使いで変化をつけたりするのも良いでしょう。
自分らしいスタイルを見つける旅は、特別な場所に出かける必要はありません。まずはあなたのクローゼットから始められます。手持ちの服と対話することで、今の自分に必要なもの、そして自分を心地よく、輝かせてくれるアイテムがきっと見つかるはずです。無理なく、無駄なく、心地よくファッションを楽しむこと。それが「スタイル発見ノート」が提案する、自分らしいスタイルへの道です。